迷った時の決断法 ~悩みのバランスシート~



目白ポセンシアクリニックは、美容医療を
メインに行っていますが、
高濃度ビタミンC点滴療法をメインにして
癌患者を受け入れています。

なぜ、癌治療を? と思われることも
多いのですが、父親を食道癌で亡くし、
医療従事者としてでなく、癌患者の
家族としての立場に立った時、
日本の癌治療は病気にばかり焦点が行き、
患者様やそのご家族に対しての
配慮が少ない印象を受けています。

もちろん、ドクターもナースも激務なので
そこまで要求することはできないのですが、
それなら自分が癌患者様に肉体を元気にし、
疲れた心を癒せる空間を提供したいという
想いで行っています。

正直、高濃度ビタミンC点滴療法は
クリニックの利益にはなりません。
純粋にそのような善意の気持ちで
提供しているにもかかわらず、
なんで専門でもないのに
点滴療法を行っているのですかと
勘ぐって問い合わせをしてくる
癌患者がいらっしゃいます。

傷ついている人は、他人も平気で
傷つける言動をする人が多い傾向にあります。

自分が傷ついているから他人を思い遣れない。
他人を思い遣れないから、自分も周りから
良い反応をもらえずさらに傷ついてく
悪循環が起こっていくのです。

電話口で暴言を吐いて切られる。
そんな癌患者様もいらっしゃいます。

年末、一人の女性が飛び込みで
クリニックにご来院されました。
埼玉の方で地元で高濃度ビタミンC
点滴療法を受けているが、年末年始
そのクリニックがお休みになるので
その期間だけ、高濃度ビタミンC
点滴療法を当院で行って欲しいという依頼でした。

当院は毎年12月31日まで開院し、
1月4日から始まるので、少しでも
お力になれるのならと引き受けました。

目白ポセンシアクリニックでは、単に
点滴療法を行うのでなく、点滴中に
瞑想法や呼吸法をお教えしたり、
心の持ち方をお教えしたりしています。
単に点滴療法を行うのでなく、
身体、心、魂の部分まで見据えて
診療していきたいというのが
治療方針になっているからです。

帯津三敬病院の帯津良一先生の
「病気を治すのではない。”病気の人”を癒すのだ」
というお言葉は私もモットーにしています。




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今回は、年末年始の計3回しかなかったので、
心の落ち着け方(瞑想法)、身体を
元気にする方法(呼吸法)をメインにお教えしました。
1月4日の最終日です。
「先生、もう少し通って良いですか?」
と患者様からお申し出がありました。

単に点滴をするのでなく、しっかりと
患者様に寄り添ってご指導させて
いただいているので、その価値を
ご理解されたのだと思いました。
近い地元より、通うのに時間が
かかっても当院を選ばれたのです。

当初3回しか通わない予定だったので、
深入りしてはいけないと控えていましたが、
4回目は迷っている時の
決断の仕方についてお教えしました。
それが今回のブログの読者の
皆様にもお伝えしたいことです。

初めてご来院された時、カウンセリングで
今後手術を受けるのか、放射線療法を行うのか、
どんな治療方針にするのか迷っておられ、
いろんなドクターにセカンド・オピニオンを
聞いて回られておられました。

あの方法だとこんな副作用が出る。
これだとあんな副作用が出ると
おっしゃって、まったく結論が出ない状況でした。

私は4回目の治療の時、
まず「ニーバーの祈り」をお教えしました。

ラインホールド・ニーバー(1892-1971)は、
アメリカの自由主義神学者であり
政治や社会問題についてのコメンテーターでした。
「ニーバーの祈り」は、アルコール依存症、
薬物依存症や神経症の克服する
プログラムに採用され広く知られるようになりました。


ニーバーの祈り
変えることのできるものについて、
それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないものについては、
それを受けいれるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、
変えることのできるものと、
変えることのできないものとを、
識別する知恵を与えたまえ。
(ブログ著者(永久)により一部削除
日本語訳:大木英夫)


「世の中には受け入れるしかないことがあります。
今回は、病気の治療の副作用については
受け入れるしかないのですよ。
でも、どの副作用を受け入れるのか、
選択することはできます」
と言って、選択肢のバランスシートを書いてもらいました。

選択肢のバランスシートは、
まず大きな選択肢を列挙します。
今回であれば、
1.先延ばしにする。放置する
2.手術
3.放射線
4.その他(代替療法、自然療法、民間療法など)

大きな選択肢に枝分かれがあれば、
その枝を書いていきます。
その患者様は、手術の部分に
腹腔鏡や手術+放射線療法と書き入れていました。

そして書いたら、紙の真ん中に線を引き、
左側にその方法のメリット、
右側にデメリットを書き入れていくのです。
これがバランスシートになります。



nayami11.jpg



多くの人は悩むと頭の中だけで悩みます。
頭の中で悩むと同じ思いがぐるぐると
回っていくだけで解決に結びつきません。
頭の中で考えるのでなく、頭の中に
思い浮かんだことをひとつずつ実際に
紙の上に丁寧に書き出すことが大切です。
軽い悩みなら、悩んでいることを実際に
書き出すだけで自分で答えを見つけることができます。
深刻な悩みは、このようにバランスシートを
作ることで頭の中を整理することができます。
書いているだけで、頭の中がスッキリしてくるのです。

しかし、今回はさらに深刻でした。
その為、どのデメリットなら
引き受ける覚悟ができますか?
と迫る必要があったのです。

美容医療の診療をしていても、
手術を受けるべきか、受けるなら
どの手術を受けたら良いのか
悩まれる方は少なくありません。

そんな悩みの時も、人生のいろんな
悩みの時もこのバランスシートは役に立ちます。
強力なツールとして、ぜひ、お役立て下さい。

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コメント

§

うわ、本当によかったです。病気の人を癒すって、書いたつもりが、病衣になっていました。ううう。お恥ずかしい。

§ Re: よかったです

川西先生

この方は高濃度ビタミンC点滴療法に
熱心に通われ、子宮癌が縮小しました。

希望していたが施行は
難しいと言われていた
腹腔鏡での手術が
癌が縮小したので
可能かもしれないと言われ、
新たな希望が見えて来て
喜びの報告を受けました。

最終的に手術にするのか
放射線療を行うのかは
まだ決められていませんが
選択肢が増え、自分の納得のできる
選択肢を選べるようになったことは
良かったなと思っております。

§ Re:高濃度ビタミン点滴

堀内様

コメント有難うございました。
この意思決定のバランスシートは
悩みがある時はいつでも使えますので
ご活用下さい。
コメント有難うございました。

§ よかったです

先生のところで癒された患者さん幸せです−。よかったあ。
病衣の人を癒す、大事なことですよね。そうできるよう、頑張り続けたいです。

§ 高濃度ビタミン点滴

永久院長先生
御無沙汰いたしております。
弟の癌の時のご厚意、今でも
心から感謝いたしております。
弟の治療のために一日に三件病院をまわり
もう、涙も枯れて途方に暮れていた私を
あたたかく包み込んでくださいまして
本当にありがとうございました。
激務のなか、苦しむ癌の患者さまのために
尽くされていること、本当に感謝申し上げます。

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プロフィール

永久 晶浩(ながひさ あきひろ)

Author:永久 晶浩(ながひさ あきひろ)
国立神戸大学医学部卒業
目白ポセンシアクリニック院長
https://ssl.possenssia.com/profile/
心のあり方まで含めた「美」についての総合研究者

古代ギリシアから現代アートまで古今東西の芸術的文化を研究している

主な著書に「アルファ型美人のすすめ~愛される美人vs.愛されない美人~」「『NO』と言えれば人生は開ける」

診療日誌を日々更新中

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