進路をお悩みの方へ



以前のブログでご紹介したパリ・オペラ座の
日本公演エトワール・ガラ2014に行ってきました。
エトワール・ガラ自体は4回目の開催ですが、私は2回目の参加です。



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パリ・オペラ座と言えば、私はオペラ座の貴公子マチュー・ガニオを連想します。
目白ポセンシアクリニックHP院長ご紹介ページの「院長の休日」にも、
若くしてエトワールに抜擢されたマチュー・ガニオのことを書きましたが、
書いた当時エトワールに抜擢されたばかりのマチュー・ガニオも
エトワールになって10年経ち、最古参のオペラ座の顔になっていました。



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今回のエトワールガラでひとつの話題が、エルヴェ・モローの参加です。
恵まれた容姿とテクニックで2006年のエトワール任命時には
大物エトワールが誕生する期待を周りから集めながらも、
相次ぐ怪我や膝の不調で2009年から3年間の休養を余儀なくされ、
2012年に本格的に復帰しました。



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とにかくこの人は美しい。
男性の私から見ても、惚れ惚れとするいい男なのです。

そして、アマンディーヌ・アルビッソン。



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今年の3月エトワールに任命されたばかりの
新世代の注目されているバレリーナです。
まだ20代半ばの若い女性ですが、
今回、私はこのふたりが気に入りました。

しかし、このふたりだけでなく、
バレエダンサーの精鋭を集めた公演ですので、
出演する誰をとっても、いい男、いい女です。

話は変わりますが、先週末、瞑想のクラスに参加していました。

参加者のひとりが高校3年生の息子を持っており、
なぜか進学の話になりました。

進学先を検討するのに、その人は自分の息子に
「君、将来何になりたいの?」と問いかけているのだと
発言されていました。

その発言自体が瞑想の本題からはずれていたので
私はその発言に対して何も言いませんでしたが、
随分ムチャを言うお母様だなと思いました。

私が子供の頃、小学生の男の子に
将来何になりたいか聞くと、半分以上は
野球の選手になりたいと答えていました。

ブラジルにいくと、多くの子供は
将来、サッカー選手になりたいと答えます。

本当になりたのではなく、子供には
それくらいの選択肢しか思い浮かばないのです。

高校3年生の知識なんてしれています。
本当は世の中の職業なんて山ほどあるのに
高校生のまだ少ない知識の中から生まれた少ない選択肢から、
何になりたいのか自分で考えろと言っても、ムチャな話なのです。

私自身、35歳で自分のクリニックを独立開業するまで、
自分が本当に何をやりたいのか分かりませんでした。

10代の頃から、医師になりたいという強い気持ちだけはありましたが、
医学部に入った後も自分がこのまま進んで良いのか、
強い疑問があったのです。

医学部に入ると、大きく分けてふたつのグループに分かれたように思います。

ひとつのグループは厳しい勉強を経て難関を突破したので、
今度はしっかりと遊びたいというタイプです。
当時はバブルの真っ盛りということもあり、
運転免許を取り、車を買って乗り回し、
アルバイトに合コンを繰り返し、
青春を謳歌するという日々を送る学生がいました。

もうひとつのグループは、立派な医師を目指して、
入学後もしっかりと勉強していました。

私は、自分の貴重な時間を遊んで無駄に費やしたくもありませんでしたが、
10代の頃から東洋医学に慣れ親しんできたので、
当時、癌になれば健康な臓器も
なるべくたくさん切り取ってしまえば良いという理論に代表されるような
過激な医療に私は馴染めず、拒否反応を起こしていたのです。

今から振りかえってみると、私の感性は
20年も30年も医学の流れを先取りしていました。

しかし、その当時の医療レベルで、QOLや個体差、
また非侵襲的治療や免疫療法などと
いち学生が言っても、誰も相手をしてくれなかったのです。

とにかく、自分が何をして良いのか、
どこに向かって進んでいったら良いのか分からない。
自分自身をもてあまし、もがき苦しんでいたのです。

私はどちらのグループにも属さず、ひとり修行をしていました。
ヨガや整体、カイロプラクティックやオステオパシーのセミナーに出かけたり、
漢方医学の古典「傷寒論」の漢文をノートに書き写して
それを書き下し文にしてみたり、
速読術を習って年間1000冊の書物を読んだり、
宗教や哲学を勉強したり、武術の訓練をしたり、
九州大学医学部心療内科が医学生を対象に開く
夏期公開講座に参加したり、
(今でこそ、心療内科という科は珍しくなくなりましたが
当時、心療内科は九州大学医学部以外に
ほとんど見当たりませんでした)
とにかくいろいろなことにチャレンジしていました。

漢方の専門医李先生とも出会いました。
李先生は自分のクリニックの待合室で
自分の診療の番を待っている
数十人の患者様の前に私を連れ出して、
「この若者は道を求めているのです」
と言って紹介し、私を相手に気の実験を
デモンストレーションされました。

紹介されて、自分は道を求めていたのかと
自分がやっていることが分かり、納得しました。
時には、自分自身より周りの方が
その人のことがよく見えていることがあります。

そして、誘われたことがきっかけで、
バレエ団にも入っていました。

私が所属していたバレエ団は、天才集団と言われ、
通常幼少の頃からバレエの訓練をしてプロを目指しますが、
当時3人いた男性は全員20代からバレエを始めて
全員プロになっていたのです。

そのプロの中に混じってトレーニングを受けたことは
自分にとって素晴らしい経験になったと思っています。

私は幼少の頃から身体が弱かったので
運動は得意ではなかったのですが、
バレエのトレーニングを受けるようになって
自分の身体能力が飛躍的に向上しました。

バレエでは、一度説明されたらすぐその場で再現して
踊れるようになることを要求されます。
見たり聞いたりしたことを、すぐその場で
自分で再現できるようになる訓練は
その後の人生で大きく役立ちました。

また、バレエでは身体の軸を作ることが重要視されます。
私立に通っていて、中学・高校と剣道が必須科目だったのですが
剣道も身体の軸をつくることが大切なので、
若い時代の訓練のおかげで身体に軸ができ、
姿勢が良くなりました。
また、6年間学んだ茶道で、所作が美しくなりました。



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このような様々な訓練で
他人からますます信用されやすい外見になったことは
私にとって仕事上大きなプラスでした。

これら10代、20代で学んだことそれ自体はもうやってませんが、
もがき苦しみながら習得したひとつひとつのことが
今の仕事の支えとなってくれているのです。

だから、高校3年生の若者には、将来何になりたいか聞くよりも、
どうせ何になりたいかなんてわからないのだから、
どこへいっても通用する人間づくりをするように
教えた方が良いと思うのです。


今、自分が何をやりたいか分からなくても、
いつか自分でこれだと思えるものにぶつかる時が来ます。
それがいつかは誰にも分かりません。
それまでの間は、ただひたすら他人の役に立てるように、
他人に喜んでもらえるように生きていれば良いのです。


原則として、お金を受け取れるのは、
他人の役に立った報酬としてです。
他人の役に立ったり、喜ばせられるようになることが
社会を生きていく上でまず覚えるべきことなのです。
これができさえすれば、どこででも生きていけるのです。

それなのにほとんどの人はそれをしようとしません。
他人を喜ばせようとしないから、
その報酬としてお金があまり入って来ないで、
いつもお金がないとピーピー言ってます。
もしくは、他人から奪い取るようにしなければ
お金が入って来ず、さもしい人間になってしまうのです。

エリートやエリート志向の人は、自分が何をやりたいのか
明確に決めて、自分のやりたいことだけをやろうとします。
しかし、自分のやりたいことだけをやって、
世の中に通用するはずはありません。

会社に入っても、自分はそれを
やりたくありませんと言う人がいます。
やりたくないのなら、その会社を辞めた方が良いです。

原則として、あれをやりたい、これはやりたくないと
言って良いのはお金を払う立場の人間です。

お金を受け取る人間に
これをやりたくないという権利があるとすれば、
これはやりたくありません、
その代り、報酬も受け取りませんという
権利だと思います。

しかし、自分のやりたくないことを
やらされるのは、メリットなのです。
もしかしたら食わず嫌いなだけかもしれません。

嫌と思っても、とりあえずしばらくは
自分のやったことのないことに取り組み、
経験してみるのは、気づかないうちに自分の能力が開花し、
自分の人生を豊かにするのに良いことなのです。


自分のやりたいことだけをやるなんて、現実的には不可能なのです。

医師を例に出せば、医学の文献ばかり一生懸命読んでいる
お医者さんがたくさんいらっしゃいます。
しかし、本当に患者様の役に立つ名医になろうとすれば、
心理学を勉強したり、文学を読んだりして人間そのものの理解が必要です。
自分の体調管理として、トレーニング理論も学ぶべきです。
自分の感情コントロール、メンタルマネジメントも大切です。
患者様に理解していただくために、プレゼンテーションの訓練も必要です。
役職が上がっていくにつれ、人の使い方や組織論も学ばなければいけません。
クリニックを経営するなら、経営学も必要です。
このように何かやろうとしたら、ひとつの分野にとどまっていて良いことはないのです。

こんな膨大な量を習得するために、ひとつひとつ丁寧に学んでいては
とてもやり切れません。
自分の目の前の業務を通して、その場、その場で少しずつ習得していくのです。
その場で結果を出しながら進んでいかないと、とても間に合わないのです。

先ほど、私は自分が独立開業するまで自分のやりたいことが
分からなかったと書きましたが、勤務医をしている時は、
自分が独立することは人生の選択肢に入っていませんでした。

とにかく患者様に喜んでいただきたい、
そして自分を雇ってくれているクリニックにも、
もらっている給料の何倍ものお返しをしたいと考えて、働いていたのです。

そして、そのやってきたことが、自分が独立する時に、
自分のクリニックの運営のための能力として生かされたのです。

勤務していた時、自分の給料はどうだとか、労働時間はどうだとか、
あれは嫌だ、これは嫌だと自分の待遇に
文句ばかり言っている先生もいました。
そんな先生方も、自分が独立したら、
どれだけ自分が恵まれていたかわかると思います。
そして、自分のそんなわがままが実社会では
通じないことも身に染みてわかることでしょう。

目白ポセンシアクリニックにご来院される患者様には、
まだ自分がどんな方向に進んでいけば良いのか、
模索中の患者様が多くいらっしゃるように見受けられます。
また、お子様をお持ちの患者様もいらっしゃいます。

どこに行っても通用する人間づくり、
それは古い言葉で言えば、徳の育成です。

他人の役に立ちながら、自分の経験を深め、実力を蓄えていく。
これがどこへ行っても生きていける秘訣であり、
生きていく上で最も大切なことのひとつだと思っています。


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コメント

§ 徳の育成

先生のおっしゃる「徳の育成」を実践しようと試みています。
自分の実力をつけ、向上心を持って勉強し
ひとの役にもたち 自分も幸せな人生にしたいです。
子どもの教育にもそれを取り入れて
美しい方を選択させるようにしたいです。

先生のブログはとても深く濃い内容で
ブログというよりは索引が容易な「本」「バイブル」として
何回も読ませて頂いております。

きっとファンも多いと思いますので
出版されたほうがいいかもしれません!

§ コメント有難うございます。

川西先生

コメント有難うございます。
川西先生も院長に就任され、医学以外の多くのことに携わらなければいけない立場になられ、ますます人間力を磨かれていることと思います。

昔は目標のために頑張るという感じでしたが、
今やっていることそれ自体を目的にするというか
楽しめるように今はしています。

若い時のパワーってすごいな、
もう二度とあんなことはできないと思うと同時に
あまりにも未熟で幼なすぎて、
もっと成熟してより良く生きていきたいとも思っています。

§ なるほど

いまだと、そうだなと思えます。私も何になりたいのって聞く方でした。でも、何になりたいって思う同期に、みんなの笑顔のために役に立てるようにってことを伝えること大事なんだなと思える。そして今だと伝えようと思えます。
やりながら習得する、このことも練習して実践。っていうよりは練習しながら実践ってしていくことがもっと大切なのだなあと思う瞬間がたくさんあります。いろんなことをいろんな人に教えてもらってるなあと思います。文章にしてもらうと本当に、こう言うことなんだなあってあまたがすっきりしてきて、いつも、ありがたいです。

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プロフィール

永久 晶浩(ながひさ あきひろ)

Author:永久 晶浩(ながひさ あきひろ)
国立神戸大学医学部卒業
目白ポセンシアクリニック院長
https://ssl.possenssia.com/profile/
心のあり方まで含めた「美」についての総合研究者

古代ギリシアから現代アートまで古今東西の芸術的文化を研究している

主な著書に「アルファ型美人のすすめ~愛される美人vs.愛されない美人~」「『NO』と言えれば人生は開ける」

診療日誌を日々更新中

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