夢を実現する方法


最近、ピアニストの羽田健太郎(通称ハネケン)さんが、
4年も前にお亡くなりになられていたことを知りました。
テレビをほとんど観ない私は、芸能界の動きには
かなり疎(うと)くなってしまいます。



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羽田健太郎さん (クラシック名曲集 ポニーキャニオンより)


羽田健太郎さんは、2000年4月から2007年5月まで
テレビ朝日の音楽番組『題名のない音楽会21』の司会をされておられました。
また、西田敏行さんの「もしもピアノが弾けたなら」の演奏をしておられましたし、
「渡る世間は鬼ばかり」「宇宙戦艦ヤマト」など、いろんなところで
活躍されておられましたので、ご存知の方も多いと思います。

羽田健太郎さんは、桐朋学園大学音楽部ピアノ科を卒業されていますが、
大学4年の時に第39回日本音楽コンクールピアノ部門第3位入賞しています。
入賞曲はベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番でした。

大学のピアノ科を首席で卒業し、卒業試験では最高点を取り、
桐朋音楽賞を受賞という優秀な成績でした。
しかし、大学卒業後の進路として羽田健太郎さんが選んだのは
クラシックではなく、軽音楽への道でした。

それを聞いた師匠の有賀和子さんから、
「私の弟子だったということは決してプロフィールには書かないで」と
事実上の破門を言い渡されます。

羽田健太郎さんは、クラシックピアニストの生活環境が非常に厳しいことを
認識されており、在学中からアルバイトで弾いていた軽音楽が流行したので、
そこに活路を見いだしたのでした。

スタジオ・ミュージシャンとしては、クラシック出身で指が確実に高いレベルで
よく動くことで非常に重宝され、朝から晩までスタジオにこもり、
次から次へと録音をこなしていきました。
当時のサラリーマンの月給を2日で稼げるほど売れっ子だったといいます。
金は要らないから休ませて欲しいと思うほど、当時は仕事が次から次へと
回ってきたのでした。

まず、今回、私たちが羽田健太郎さんから学びたいことは、仕事の仕方です

羽田健太郎さんは、クラッシック出身で技術がしっかりとして、
それでいて使いやすい演奏家だったのだと思います。

技術がしっかりとしている人は、融通が利かなくなりがちです。
融通が利く人は、技術が甘くなりがちです。
羽田健太郎さんは、その両方を兼ね備えた人でした。

羽田健太郎さんは、悪い意味でのプライドを持っていないのです。
それでいて、良い意味でのプライドはあるので、おぼれることなく
しっかりと自分のやるべきことをやってのけるのです。

技術があると、変なプライドを持ってしまう医師も、中にはいらっしゃいます。
そんな医師に限って、患者様の要望を聞かず、独自の判断で手術を行い、
患者様の満足を得られないという結果になってしまうこともございます。

逆に、気安く、何でも「できるよ」「大丈夫」などと
安請け合いして手術を勧め、手術がうまくいかない場合には、
「体質です」と言ってごまかしたり、術後はスタッフに患者様対応を任せて、
自分は一切対応しないなどという医師もいらっしゃいます。

私は、羽田健太郎さんの
『自己主張し過ぎない。
でも、やるべきことはきちんとやる。
いい意味での存在感がある』

そんな仕事の仕方に共感するのです。

以前、羽田健太郎さんは、日本武道館で行われた松田聖子さんの
コンサートで「Sweet Memories」の伴奏をしました。
私は、その演奏をyoutubeで拝見しましたが、大変感銘を受けました。
ソロの部分でも決して自分をひけらかせていないのです。

主役の歌手のボーカルを立てて演奏しています。
それでいて、ピアノの素晴らしさを十分、聴衆に伝えています。
この絶妙なバランス感覚が見事で、思わずうなってしまったのでした。

私も、顔の手術のデザインをする時、
手術した部分が目立ち過ぎてひとり歩きしないように、
しかし、その部分が全体を引き立てるように、
全体とのバランスにはかなり気を遣いながら
デザインをするよう心がけています。

もうひとつ、羽田健太郎さんから学びたいことは、仕事への取り組み方です。

世の中には、お金が欲しいという理由だけで働いている人が多すぎるように思います。
そのため、書店へ行くと、「楽してお金が入る」とか、「寝ていても稼げる方法」
などと言ったタイトルの本が山積みされています。

しかし、本当に自分の好きなこと、やりたいことを見つけていれば、
寝る間を惜しんででもやるはずなのです。


楽して成果を挙げたいと考えるなら、それは本当に自分のやりたいことではないし、
天職でもありません。そして、それに対する才能もないのです。


羽田健太郎さんは、中学2年生まで本格的な音楽の専門教育を受けていなかったため、
桐朋高校受験はビリから2番目の成績でやっと合格されたのでした。

しかし、高校1年生の時に母親がグランドピアノを購入し、防音対策のために家を改築し、
夏休みに一日12時間もの猛練習で急速に実力を伸ばしたのでした。

私が、空手道場に通っていた時も、一番練習していたのは、一番強い人でした。
一緒に練習していて、周りがクタクタになってもう練習をやめたいと思っていても、
もう一度、もう一度と何度でもつきあわされました。
しかし、本人は努力しているとか、頑張っている、といういう感じではなく、
強くなるのが面白くて仕方ない、という感じなので、悲壮感が全くありません。
私は、このやり続けられる力が、本当の意味での才能だと思います。


また、本当の意味での、努力とか、頑張るというのは、このレベルなのです。
自分でこんなに努力しているのにとか、頑張っているのになどと言っているうちは、
まだまだ本物ではないという気がいたします。


私は、絵を描くのが好きですが、2,3枚も描けば飽きてきます。
職業柄、手先は器用な方なので、多少、うまく絵が描けるにしても、
それでは、絵を描く才能がないということになるのです。

一方で、手術を始めたら、何時間やっていても疲れないのです。
たとえ、体が疲れていても、何時間でも平気で続けられるのです。
いや、それどころか逆に、疲れていても、手術をしていたら、
集中してやっているせいなのか、段々体調が回復して
元気になってくることさえあるのです。

集中して、毎日、毎日、長時間ひとつのことに取り組んでいたら
うまくなって当然です。
そして、時間をかけて練り上げた技術は、少々器用なだけでは
一朝一夕には簡単に追いつけない、味の深いものになっていくのです。

その域まで技術を高めて、はじめて他人が喜んでお金を払ってくれる、
また、感謝してお金を払ってくれるプロとしての技術になるのだと思っています。

自分の人生の中で、自分のすべてを賭けて取り組んでいける
何かを見つけることは非常に大切なことだと思います。


最後に、羽田健太郎さんから学びたいことが、夢の実現の仕方です。


「引き寄せの法則」というのが、ブームになっています。
おおざっぱな表現をすれば、自分の夢をイメージしていると、
その夢が実現するというものです。

しかし、クラシック音楽をやっている人なら、みんな、
コンサートを開きたいという夢を持っているはずです。
しっかりとしたイメージも持っているはずです。

しかし、その夢を実現できない人がほとんどなのです。
コンサートを開けない、コンサートを開いても人が集まらない、
これが多くの音楽家にとっての現実です。

なぜなのでしょうか?
それは、コンサートというイベントに焦点を当てているからなのです。

夢や目標を持つ時、物やイベントを夢や目標にする人が多いと思います。
しかし、それでは実現しにくいのです。

羽田健太郎さんは、卒業時、クラシックの道を断念したように一見、見えます。
しかし、一般の音楽家よりずっと多くのコンサートを開いているのです。

それは、羽田健太郎さんが、大学を卒業した時から、
コンサートを開くとか、クラシック音楽活動をするといった
イベント、事柄を目標としたのでなく、
音楽を通して人を喜ばせるということを目標にしたからなのです。

羽田健太郎さんは、まずスタジオ・ミュージシャンとして成功を収めます。
その間に、歌手の伴奏にも呼ばれます。

そうこうしているうちに、その世界では有名になってくるので、
純粋なピアノ演奏以外のトークを交えた仕事も依頼がくるようになったのです。
『おもいッきりテレビ』でコメンテーターとしての出演、
舞台「アーニーパイル」「ムーンリット・クラブ」
(ピアニスト役、実際舞台でピアノを弾く)にも出演しました。

そして、テレビへの露出を多くし、知名度を上げることでさらに仕事が増えるという
良い循環を作ると同時に、有名になるので、結果としてコンサートの演奏機会を
増やすことができたのです。
コンサートが開けるし、コンサートを開けば人が集まってきたのでした。

この成功は、ご自身の人生で、コンサートを開きたいという
事柄を目標にしたからではなく、
人々に音楽を楽しんでもらいたいという、他人の幸せを目標としたから
生まれた結果なのです。


だから、私は読者の皆様にも申し上げたいのです。
「引き寄せの法則」は、素晴らしい法則ですが、鵜呑みにしないで下さい。
物事を対象とするのでは、人生、うまくいかなくなりやすいのです。
そうではなく、人々の幸せを願って「引き寄せの法則」を使う時、
自分の夢も実現しやすくなるのです。

人間は、他人を幸せにした分しか、自分は幸せにならないのです。
だから、他人が幸せになることを自分の人生の目標にした方が良いのです。
そして、他人を幸せにしたご褒美として、自分の夢も実現されていくのです。


お金が欲しいと強く願わなくても、他人の役に立つことをしていれば
相手の方から喜んでお金を払ってくれます。
出世したいと強く思わなくても、周りの人のために働いていたら、
推薦を受け、勝手に地位は上昇していくでしょう。
こういった人生の成功の仕方の方が、無理やり力づくで這い上がっていくよりも
無理がなく、美しい生き方ができるものです。

最後に、羽田健太郎さんの演奏を一曲ご紹介して、
羽田健太郎さんについて終わりにしたいと思います。

Eric Alfred Leslie Satie 「Je te veux」

羽田健太郎さんのご冥福を心よりお祈りいたします。


追記;
先日、静岡から親子でいらした患者様からお土産をいただきました。
静岡のお土産として人気の高い蒸しケーキで
作られてすでに20年以上経つロングセラーだそうです。



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静岡出身のスタッフに聞くと、静岡では毎日のように
テレビでも放送されている有名なお菓子だそうです。
安倍川下流のほとりに建つ工場から年間200万箱を
出荷しているとのことでした。

新鮮なたまごを使用し、特殊なミキシング製法により、
なめらかな舌触りの生地がつくられます。
水質の良い南アルプス山系を源とした澄んだ伏流水が
使われて柔らかく優しく蒸し上げられます。



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今回は新発売の「チョコバナナこっこ」をいただきました


生地の中に入ったミルククリームの程よい甘さと
口当たりの良い、ふっくらとして軽い食感の生地との
ハーモニーに絶妙な味わいがございました。

「スタッフの皆様にも」と多く用意していただき、ありがとうございました。


8月4日追記;
栃木県からお越しいただいた患者様からお土産をいただきました。



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とちぎ名物・元祖「宮のかりまん」です。
栃木産小麦粉に極上の那須御養卵を使用し、
沖縄産黒糖で味わいを醸し出した和風饅頭です。



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美味しいお菓子をありがとうございました。


目白ポセンシアクリニック






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プロフィール

永久 晶浩(ながひさ あきひろ)

Author:永久 晶浩(ながひさ あきひろ)
国立神戸大学医学部卒業
目白ポセンシアクリニック院長
https://ssl.possenssia.com/profile/
心のあり方まで含めた「美」についての総合研究者

古代ギリシアから現代アートまで古今東西の芸術的文化を研究している

主な著書に「アルファ型美人のすすめ~愛される美人vs.愛されない美人~」「『NO』と言えれば人生は開ける」

診療日誌を日々更新中

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