Aloha from Waikiki のはずが緊急事態発生!



美容外科業界は、世間一般の人が長期休暇に入ると忙しくなります。
昨年年末も今年の夏のお盆の時期も早々と予約が埋まり、
私は自分の休みを返上して朝から夜遅くまで働き続けましたが、
それでも対応しきれず、間近になってご予約希望の患者様には、
ご予約をお断り申し上げなくてはなりませんでした。

今年ももう年末手術ご希望の患者様の
問い合わせが増えて来ていますので、
年末手術ご希望の方はお早目に
カウンセリングにお越しいただき、
手術のご予約を押さえられることをお勧めいたします。


このように自分の休みも返上して忙しく働く分、
年に一度か二度は長期のお休みをいただだき、
海外で自分の充電期間に充てています。
仕事ばかりしていては、経済的には
豊かになれるかもしれませんが、
人生のバランスを失ってしまいます。


今回は、銀座ヴェリテクリニックの
福田先生がハワイ大学で
実際に献体(死体)を使った手術の
実習を行われるということで、
勉強を兼ねてハワイへ行きました。



Hawaii-DrFukuda.jpg
ヴェリテクリニック福田先生と室先生
あきこクリニック田中亜希子先生
(ハワイ大学医学部にて)



ヴェリテクリニックは、大きな変化を
出すクリニックとして有名です。
私のクリニックは、ダウンタイムが少なく、
自然な変化を出すことで知られていますが、
時には、大きな変化を希望される患者様が
ご来院されることがございます。
ある程度の大きな変化であれば、
私の方でも対応させていただいておりますが、
患者様によっては、私から見てとんでもない
大きな望まれる方がいらっしゃいますので、
そんな時はヴェリテクリニックをお勧めしております。

大きな変化は劇的に改善することもございますが
時には修復不可能な結果になることもございます。
自分の手術で修復不可能な状態を作ってしまったら
私は精神的にとても耐えられません。

この考え方は医師としては消極的で正しくありません。
医学の発展には犠牲がつきものというのが、一般的な
医療界の考え方であるのは分かっていますが、
それでも私はその考え方になじめず、
過激な手術は控えるようにしています。

私は、患者様をひとり占めしようと
するつもりは一切ございません。
高い費用を出し、いくつもの手術を併用して大きな変化を
望むのであれば、ヴェリテクリニックへ行かれれば良いし、
手術費用が安いクリニックがご希望であれば、
そのようなクリニックへ行かれることをお勧めしております。

その代り、自分が望まない結果になったとしても自己責任になります。
手術が成功しても、変わり過ぎた自分の顔を受け入れられないと
悩みを持ってご相談にご来院される方もいらっしゃいます。
また、安物買いの銭失いで安いクリニックで受けて
悲惨な目に遭い、修正費用に高い費用を払わなければ
いけなくなった患者様も数多く見てきました。


患者様にとってベストの選択を
していただきたいと願っていますので、
リーズナブルな料金で安全に自然な仕上がりを希望される
患者様を対象に、しっかりとケアさせていただきたい
という想いで、当院では運営をしております。


今回、セミナーに備えてコンディションを万全にしたいのと、
働き過ぎた心身を休養させるため、セミナーより
数日早くオアフ島へと向かうことにしました。

出発の日ギリギリまで忙しく、旅行のパッキングは
出発の当日朝6時起きしてやっとできました。

出発当日の予約も混んでいました。
鳥取県からは、他院で埋没法の失敗をされた方が、
親子で12時間かけて夜行バスでいらっしゃいました。
また、私の切開法の手術を受けたいと、わざわざ長野県から
お越しいただいた患者様もいらっしゃいました。
こんな熱心な方々がいらしているのに、出発の日だからといって
診療の手を抜くわけにはいきません。
いつもと同じように全力で対応させていただきました。

予約が混んでいたので、お昼ご飯を食べる時間も
晩ご飯を食べる時間もなく、出発の時間を迎えてしまいました。
急いで電車に飛び乗り、空港へと向かいます。

今回はビジネスクラスでの飛行だったので、
出発前に空港のラウンジで日本食の食べ納めと思って、
ご飯とみそ汁と漬物をいただきました。



jallounge_convert.jpg
空港ラウンジ



飛行機の中でもお寿司をいただき、お腹を十分満たしました。



fligtsushi_1



後は、しっかりと倒せ、足ものびのびと延ばせるリクライニングシートで
ぐっすり眠れば、コンディションを回復して、朝ハワイに着くはずでした。


fligtsleep_convert.jpg



ところが、ウトウトしていると機内アナウンスが・・・・・

「お休みのところ、申し訳ございません。
ただいま、機内で急病人が発生しました。
ドクターやナースの方でご協力いただける方が
いらっしゃいましたら、客室乗務員までお声掛け下さい」

大変だなと思い、急いで機内の前へと向かいました。
そこにいたCAの方に声をかけようとすると、気を利かせて(?)
「お手洗いはこちらでございます」
と親切にトイレのドアを開けて下さいました(笑)。

「いえ、違います。私は医師です」
「ドクターの方でしたか。大変失礼いたしました。
急病人はこちらです」
と案内されました。

機内の真ん中あたりの少し広いスペースの床に
高齢のご婦人(後で85歳と知りました)が
横たわっていました。
すでにナースの方が脈拍を測っています。

顔面は蒼白で、声をかけても
弱々しく返事をするだけで、
手を強く握るよう伝えても何とかやっと
指を動かすくらいの反応しかありません。

「さて、どうしたものか」

私たち医師は、病院やクリニックなど通常の施設では
道具が揃っているので、強くなれますが、
機内という何にもないところで自分に何ができるのか
頭をフル回転して考えました。

チーフパーサーの方が、「医療キットです」と言って、
厳重にロックされたアタッシュケースを持ってきました。
ロックを開けると、中から医療器材や医薬品が出てきました。

医療の現場では、まず患者様の状態を
把握しなければいけません。
血圧計があったので、血圧を測りました。高血圧です。

酸素飽和度(血液中の酸素)はどうなっているだろう?
ところが、救急医療で必需品であるはずの、
こんな大切な器械(パルスオキシメーター)が入っていないのです。
ないものは言ってもはじまらないので、
「酸素はありますか?」と聞くと、
小型の酸素ボンベを持って来てくれました。
呼吸が浅いこともあり、体内の酸素が
十分かどうか分かりませんでしたが、
害になることはないので、とにかく酸素投与を始めました。

輸液セットを見つけたので、点滴も開始します。

まずはこの救急状態を脱出しなければいけませんが、
どうしてこのような状態になっているのか、
考えられることと否定されることを優先順位をつけて
順番に考えていかなくてはいけません(鑑別診断)。

血糖値はどうなのだろうか。
一般の人は血糖値が高いことを気にしますが、
救急の現場では、高血糖よりも低血糖の方が重要になります。

1回目の測定で、Lowの表示が出ました。
この状態は低血糖が原因だったのかと思い、
糖液を準備している間に、看護師さんが
血糖値をもう一度チェックします。
「血糖値160です」
低血糖ではなかったのか。

しかし、酸素投与している間に顔色が良くなり、
声も少しずつしっかりしてきました。

少し小康状態になってきたので、
「中に何が入っているのだろう」と
医療キットの中身をしっかりと調べました。
日本語と英語で入っているものの説明が
書かれた紙があったので、そちらも見ていきます。

それなりに救急用の薬剤は入っているようです。

患者様が回復してきたので、暖かい席へと移動しました。
会話も普通にできるようになり、ひと安心の状態になりました。



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処置している間に他の乗客は朝食を終えています。
ちょっとガッカリしながら席に戻ると、
CAが朝食を持ってきてくれました。



fligtbreakfast_convert.jpg



しっかりといただき、機内で緊急用に用意されていた
記録用紙に医師としての所見を書いていきます。

ほどよく空港に到着しました。
私の仕事は終わりです。
後は現地の医療スタッフに任せます。

元気を回復され、ニコニコされたご婦人から、
「先生、本当に有難うございました」と言って、
両手で私の手をしっかりと握られました。

疲れはしましたが、心地よい充実感を
持ったまま、ハワイに到着しました。
チーフパーサーの方からは、連絡先を
教えて欲しいと言われていたので、
降り際に名刺を渡しました。
「何もできませんが、私からのほんのささやかなお礼です」
と、折り紙をいただきました。



origami_convert.jpg




今回は、できるだけ何もしないようにして、ハワイの空気を
満喫しようと思って出発しましたが、出発時から
自分の想いとは逆になってしまいました。

これも医師としての自分の運命かと思い、
受け入れることにしました。

医師という職業は、大変で休む暇もないかもしれませんが、
その分、人から感謝される仕事でもあります。
今後も専門分野以外でも、
ますます自分を鍛えていかなくてはいけない、
今回の出来事でも示されたように、私にはノンビリすることが
運命づけられていないのかもしれません。
それが自分の運命なのかもしれないと思いました。

それで他人が喜んでくれるならそれでいい。
運命に逆らうことはしないで、自分ができることを
一歩一歩やっていこうと思いました。



royalhawaian_convert.jpg
今回、宿泊したロイヤル・ハワイアンホテル。
もともとハワイ王家の所有の土地に建てられました。
太平洋のピンク・パレスとして、
今上天皇やフランクリン・ルーズベルト大統領、
マリリン・モンローなど、世界各国の元首や
著名人が宿泊してきたことで知られ、
多くの人々から愛されてきました。


追記;
後日、JALから商品券が添えられたお礼状が送られてきました。



jal-thakyounote.jpg
ご丁寧に有難うございました。


プロフィール

永久 晶浩(ながひさ あきひろ)

Author:永久 晶浩(ながひさ あきひろ)
国立神戸大学医学部卒業
目白ポセンシアクリニック院長
https://ssl.possenssia.com/profile/
心のあり方まで含めた「美」についての総合研究者

古代ギリシアから現代アートまで古今東西の芸術的文化を研究している

主な著書に「アルファ型美人のすすめ~愛される美人vs.愛されない美人~」「『NO』と言えれば人生は開ける」

診療日誌を日々更新中

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