笑いは人生を切り開く!



前回のブログに、大阪からご来院された患者様からいただいた、
お笑い芸人のお店のお土産を載せました。

大阪には、一般の方でも自分はお笑い芸人であり、
人を笑わせることが義務であると思っている県民性があります。
勉強ができる、仕事ができることより、人を笑わせる能力の方が
高く評価される不思議な地域なのです。

私は、関西出身なので、お笑いは大好きです。
私は、「笑い」にはベクトル(方向)があると思っています。

つまり、他人をバカにして、他人を卑下することで笑わせようとする笑い、
(いわゆる上から目線、他人を見下す下へ向けたベクトルです)、
逆に自分を卑下する自己卑下による笑いです
(こちらは他人を見上げる上向きのベクトルです)。

他人をバカにすると、その人から怨まれるし、
周りからもそれだけの人と思われてしまいます。
自己卑下による自虐(じぎゃく)的な笑いは、聞いていて痛々しい。
どちらも決して気持ち良い笑いではありません。
何か不愉快な嫌な気持ちが残ってしまいます。
プロのお笑い芸人になるのでなければ、
このふたつの笑いは生きていく上で危険なのです。
笑いのベクトルの方向性は気をつけなくてはいけません。

私が好きなのは、ちょっとした機知を使ったウイットに富む笑いです。
頭の良さを感じさせます。
他人を気持ち良くさせる笑いも良いですね。
こう考えると、笑いには、人間力が大切になってきます

目白ポセンシアクリニックには、キャバ嬢など水商売系の患者様もいらっしゃいます。
いつも仲良し2人組みで来られるキャバ嬢がいらっしゃるのですが、
4度目くらいの来院の時でしたが、入り口で私を見つけると、
私に向かって「オッス!」と挨拶したのです。

受付のスタッフは、「ドクターに向かってオッスなんてとても言えません」と、
目を白黒させていましたが(良い子の皆様も決してマネしないで下さいね)、
私は、嫌な気持ちに全くなりませんでした。
キャバ嬢も笑いのプロです。
客を楽しませ、笑わせることで生活を成り立たせているのです。
彼女達は、ちゃんと計算しているのだと思います。
相手を下げているようで下げていないのです。

その日は、1ヶ月前に行った目頭切開と二重の手術の検診の日でした。
目が小さくて周りからシジミのような目だと言われるので、
目を大きくしたいと手術を受けられたのでした。

私は、「目が大きくなって随分ときれいになられましたね。
手術前はアサリでしたか、シジミでしたか、言われてましたよね」と言いました。
「はい! ありがとうございます」
「正確には、アサリでしたっけ、シジミでしたっけ?
育ちが良いので、庶民の食べ物はあまり良く分からないものですから・・・」
と、ちょっとおどけると、相手も手慣れたものです。
「ハイ、ハイ。お国(故郷)へ帰ってください」と、流されてしまいました。
そこで私は、相手に聞こえるようにボソッと独り言を言いました。
「フランスって遠いんだよね」

こんな感じで相手を卑下することなく、自分も卑下することもなく、
「笑い」を作っていけると思うのです。

時には、「挑戦者」もいます。
1ヵ月後にご結婚されるという女性が、フィアンセを連れて、
きれいな結婚式の写真を残しておきたいからとご来院されました。

このフィアンセがやんちゃな方で、いろいろボケを入れてくるのです。
手術が無事終わり、いつも通りリカバリー室で冷やしていただきました。
その日は忙しく他の患者様の対応に追われていたのですが、フィアンセの方が
もう冷却は十分ですかと呼びにいらっしゃいました。

ちょうど他の方のカウンセリングを終えた私は、リカバリー室まで行きました。
その時、フィアンセの方が、「泊まっていっていいですか?」
と言うのです。
こんなボケには、しっかりと切り返してあげないと
関西人の名が廃(すた)ります。
「別途宿泊費がかかりますが良いですか?」
と返答すると(実際には宿泊は不可です)、
「宿泊費がかかるんですか!」と喜んでいました。

その女性は、出口のところで、
「先生、鼻の下を長くする手術ってあるのですか?
彼が私の鼻の下が短いっていつも言うものですから」
と質問されました。
残念ながら、鼻の下を短くする手術はあるのですが、長くする手術はありません。
また、その女性の鼻の下が短い訳でもありません。
そこで私は、「奥様の鼻の下は短くありませんよ。
ご主人の鼻の下が長いんじゃないですか?
(ご主人に向かって)これからご結婚されるのだから、
他の女性を見ても鼻の下を長くしてはいけませんよ」
と言うと、おふたりで笑顔で帰られました。
私はスタッフと一緒に「末永くお幸せに!」とお見送りをしました。

次は、最近の私のスベった例です。
春は卒業と入学・入社のシーズンで、多くの整形希望患者様が毎年ご来院されます。
今年もたくさんの患者様に目白ポセンシアクリニックにご来院いただきました。
その中のひとりに18歳の長身でイケメンの男性がいました。
大学入学前に二重の整形手術を受けたいとのことでした。

ひとりでカウンセリングにご来院され、
手術をお受けになられたいとのことでしたので、
保護者の方の手術同意書を提出するようにお願いしました。
保護者の同意書を必要としない、いい加減なクリニックもありますが、
目白ポセンシアクリニックでは、必ず保護者の方にご同伴いただくか、
ご同伴いただけない場合は、保護者の方に手術同意書を提出していただいています。
その男性は、カバンの中から「民法」と書かれたタイトルの書籍を取り出し、
そこにはさまれた保護者同意者を出しました。
私は、「大学で何を学ばれるのですか?」とお聞きしましたが、
日本で最難関の私立大学の法学部の学生さんになられるとのことで、
将来は検事になりたいとおっしゃられました。

さて、いよいよ手術室に入室していただきました。
デザインを行っていきます。
その方は、自分の希望の形があるわけでなく、いろいろなデザインを
見せて欲しいとのことでしたので、小さな二重、中間くらいの大きさの二重、
大きな二重などいくつもの二重の形をお見せしました。
最終的にはやや大きめの平行型二重とそれよりやや小さめの
末広型の二重のふたつ絞られました。

「先生はどちらが良いと思いますか?」
と意見を求められました。
目白ポセンシアクリニックでは、パーソナルデザイン法を行っています。
患者様の顔のつくりや雰囲気、性格、職業などを考慮しながら、
ひとりひとり個別にデザインを行い(パーソナルデザイン法)、
患者様が納得されるまで、いろんなデザインを
プロとしての意見も交えながら提案しているのです。
長身でイケメンの彼には、やや大きめの弱い平行型の二重が
顔や雰囲気には似合ってはいるのですが・・・。

私は、「う~ん」と唸(うな)りました。
「こちらの二重の方がお顔や雰囲気には似合っているのですが、
将来、検事になりたいとおっしゃっておられましたよね。
羽賀研二になりたいならこちらでも良いですが、
検事になりたいのなら、もう少し幅が狭い方が良くないですか?」

横で一緒にデザインに立ち会っていたスタッフは
笑い転げて大いにウケていたのですが、
患者様は無反応でした。
18歳の男性に羽賀研二と言っても、ピンと来ないのでしょうね。
相手のキャラを読み違え、スベってしまいました。

羽賀研二ネタに笑っているそこのあなた、年齢がバレますよ!

年齢がバレると言えば、こんなネタがあります。
目の上や目の下など、繊細な技術が要求されるヒアルロン酸注入の場合、
目白ポセンシアクリニックでは、手術台を動かして
寝ている状態ではなく、起きている状態で注入を行います。
重力によって顔の形が変わるので、起きている状態で注入した方が
正確に注入できるためです。

まず手術台の上半身の部分を起こし、
それでもまだ90度まで角度がつけられないので
さらに手術台の下半身の部分を傾けて
顔の位置がまっすぐになるまで手術台を動かすのです。
患者様はまるで滑り台に乗っているような感じになります。
少しずつベッドが動いていくその状況は、
解答者が滑り台に乗り、間違ったら滑り台の角度がついていく
クイズ番組・ダイビングクイズを彷彿(ほうふつ)させます。

私は患者様に
「ほら、ダイビングクイズみたいでしょ。
私の質問の答えを間違えたら、もっとベッドを傾けますよ」
と言うと、大抵の患者様は笑ってくれます。
そこで私は、
「笑わないで下さい。そこで笑ったら年齢がバレますよ」
と言ってさらに患者様を笑わせるのが、私のネタです。

ロングヘアを贅沢にトリートメントしてツヤツヤとさせ、
クルクルとカールしてくる40代のマダムが、
定期的に目の下のヒアルロン酸注入に来てくれています。

その方にも同じネタを使い、笑ってくれたので、
「ほら、ほら。笑わないで下さい。笑ったら年齢がバレますよ」
と言ったのですが、その方から
「年上の男性との付き合いが長かったものですから」
とサラッと切り返されました。
私は、こんな切り返しをされる方に頭の良さを感じます。
外見が魅力的なだけでなく、頭も良いステキな女性です。
(ブログで公開してしまったので、このネタは封印します)

手術室に入れば、患者様も緊張されます。
そのため、患者様にリラックスしていただけますよう、
不謹慎にならない程度に、相手のキャラを見ながら
ジョークを交えて、できるかぎり楽しい雰囲気の中で
患者様に過ごしていただけますよう、工夫しています。

私は、笑いは人生にとても大切なものだと思っています。
笑いは、人間関係を良くします。
身体の免疫力を高め、身体を健康にしてくれます。
鬱(ウツ)が軽減するなど、精神も健康にしてくれます。
笑いは人生を豊かにしてくれます。


よくスピリチュアル系の人で
「すべての出来事には意味がある」と言う方がいらっしゃいます。
もちろん、そんな出来事もあるでしょう。
しかし、世の中には、どれだけ考えても理不尽な出来事もあるのです。

そんな時は、いくらその出来事の意味を考えても
虚しくなったり、腹立たしくなったりするだけです。
こんなに真面目に頑張っているのに、どうしてこんな目に遭わなくてはいけないのか、
そう言いたくなる出来事もあるのです。

そんな時こそ、笑うのです。
生きている限り、前向きに頑張っていくしかないのです。
少々の理不尽な出来事は笑い飛ばし、前に向かって進んでいくのです。


古事記に「天の岩戸開き」という寓話があります。
弟であるスサノオがアマテラスのいらっしゃる高天原で乱暴を働き、
それに悲しんだアマテラスが天の岩戸に引きこもってしまいました。
アマテラスは太陽の化身ですから、世の中は暗くなり、
不幸な出来事が勃発(ぼっぱつ)しました。
何とかアマテラスに戻ってきてもらいたいと思った神々は、岩戸の前で宴会を開きます。
飲んで歌って踊って大騒ぎし、大笑いをすると、私がいなくなったのに
どうして世の中はそんなに楽しそうにしているのかと
アマテラスはそっと岩戸を開けて世の中の様子を覗こうとしました。
その瞬間に力持ちのタヂカラノオが戸をつかんで開け、
アマテラスを呼び戻し、世の中も光を取り戻したという話です。

この寓話には、物事に行き詰ったら、クヨクヨするのでなく、
笑って道を切り開いていけば良いという教訓が含まれているように
私には思えるのです。

真面目過ぎる人は、悩みすぎ、鬱(ウツ)になります。
とにかく、まずは笑ってみることです。
そうして気持ちを切り替え、再出発するのです。


笑いは心の暗闇を打ち破ります。
笑いこそが人生を切り開いていくのです。



目白ポセンシアクリニック




プロフィール

永久 晶浩(ながひさ あきひろ)

Author:永久 晶浩(ながひさ あきひろ)
国立神戸大学医学部卒業
目白ポセンシアクリニック院長
https://ssl.possenssia.com/profile/
心のあり方まで含めた「美」についての総合研究者

古代ギリシアから現代アートまで古今東西の芸術的文化を研究している

主な著書に「アルファ型美人のすすめ~愛される美人vs.愛されない美人~」「『NO』と言えれば人生は開ける」

診療日誌を日々更新中

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